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story
小さな設計事務所で働く９人の男女の人間模様。
上演時間は２時間１５分の２部構成。前半はスタンダードファイルと銘打たれ、主人公が入れ替わりながら４人の人間の視点からそれぞれの物語が展開する半オムニバス形式。後半はトラッシュタンダードファイルという名目となり、前半の視点から一転し、所謂trashmasters的な視点で観た世界を構築している。 主役を固定した物語であった前作とは異なり、今回は彼らの持ち味でもある群像劇のスタイルをチョイスしている。しかし他団体の構成と明らかに異なる点は、前半の主役が明確なストーリーテリングから、後半になるにつれて観客が持つその役への感情移入度が稀薄になっていく点である。本来ならば致命的とも思えるこの構成も、彼らの前ではまるで意味を持たない。むしろそれを逆手に取るような鮮やかな逆転の発想で、観客の目を見事に俯瞰させ魅了した。タイトルにもある通り社会的な一般常識と、それに背理するように失われゆく人間の感覚へ向けられた、虚構を司る彼らからのウイットに富んだ警鐘的シークエンス。 |
